re urushi ⅱ(Yohko Toda_Urushi Media x the edit)

DESIGNART TOKYO 2022 再生工芸展 展示作品
2022年4月、堤淺吉漆店を訪ねました。漆に興味を持ってから一度訪れたいと思っていた場所でした。10~15年かけて生育する漆の木は約200ccの樹液を取ると伐採され廃棄されるといいます。工場の片隅には漆を掻いた痕の残る木がポツンと置かれていました。刻まれた傷を携えた木は何か言いた気で、声が聞こえてくるようでした。そして、漆の製造工程で濾すために使われる綿。ドラムの中で採れたての漆を吸い込み、機械にかけられきれいな漆を生み出すと廃材となります。その形や質感がとても面白いと思いました。
漆の匂い漂う綿を袋にいっぱいいただき、アートピース作りに挑戦することにしました。戸田蓉子さんに朱漆で美しい糸を作っていただき、漆をたっぷり吸い込んだ綿を台紙に見立て、赤い糸を並べていった15点のアートピースです。耳を澄ませてみてください。

■作家
Yohko Toda_Urushi Media x the edit

■再生したもの
漆精製の際に出る濾し綿